森のなかの標本室

不思議な標本を作るアートユニット「飴色団栗研究室」にまつわるちょっとしたおはなし

マッチ箱に標本1

日常の中で出会う箱の中で最も小さい部類に入るのが、マッチ箱ではないだろうか。

 

マッチ箱と聞くと「とても小さくて、パッケージも色々あって、しかもスリーブ箱なんていう洒落た作りをしている」なんて印象を抱きはしないだろうか。

 

「ミニチュア」というジャンルにはだいの大人も数え切れない程夢中になってきたが、標本箱だって「ちっちゃい」ものがほしい。そうして生まれたのがマッチ箱の標本箱である。

 

マッチ箱という名前だけで、我々は容易に「小さい箱」というイメージを持つことができる。

 

小さい箱に小さいものを入れて、引き出しの中で大切に保存しておく。慌ただしい現代社会を生きる我々には、そういう気持ちが必要なのではないかと思う。

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マッチ箱は10月上旬ころから世に出す予定です。ここでは展示のお知らせしかしませんので、販売告知をご覧になりたい方はSNSへ。

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種花の蜜について

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種花とは、種から茎と花のみが伸びる文字通り「根も葉もない」草であると話した。画像はその種から蜜が滴っている様子だ。

 

理由はまだ分からないが、そういう草なのである。

 

こうして瓶に挿しておくと面白いインテリアだが、本来この蜜は地面に染み込んでいくものである。種花の花畑の下には蜜が地下水となって流れている場所があるという。そこに井戸を掘ると花の蜜が汲めるのだろうか。

図鑑

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図鑑。

あなたはお好きだろうか。

 

私は好きだ。と言いたいところだが、私の感覚としては好きというより便利という方が近いかもしれない。昨今では凝ったデザインのおしゃれな図鑑も出回るようになったが、私の好みで言うなら、デザインはさほど重要視しない。出来るだけ内容が詳しいものが良い。文体も別に読みやすくなくていい。

 

因みに右の研究員はおしゃれ且つ気軽に読める図鑑、好きだと思う。ちょっとした知識を取り入れる時間にも、良いデザインを取り入れたいタイプだろう。

 

さて、そんな我々が標本の図鑑を作ろうという計画がある。知識とデザインのバランスが取れた一冊になるのか、図より文の方が多い専門書のようになるのか、お楽しみである。

世界は不思議である

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世界には、どうしてこんなに素敵なものがあるの?綺麗なものがあるの?不思議なものがあるの?

 

我々のステートメント(声明文)の冒頭部分である。

 

画像は飴団栗。飴でできたドングリという一見して突拍子もない、いかにもファンタジックなものに見えるかもしれない。

 

だが、案外そうでもないのである。道端を覗き込むだけでは気づけなくとも、そこに図鑑を一冊持ち込むだけで、世の中には面白い生態の動植物、風変わりな性質の鉱物なんかがありふれていることが分かる。

 

甘い樹液を持つ樹木があることは周知の事実である。では、その樹液が枝の先で飴のように固まったとして、どこが不自然なのだろうか。

 

飴色団栗研究室を、例えば魔法使いやなんかがそこらに大勢いるような類のファンタジーだとお思いなら、それはあなたが、自らの生きる世界の面白さをまだ十分に知らないのである。

 

ステートメントメント全文はウェブサイトをご覧ください。

http://ameirodongri.wix.com/caramelacorn

夏の残骸

今週のお題はてなブログ フォトコンテスト 2017夏

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思い返せば夏らしくない夏であった。

海も花火も日焼けもなく、ただ気温の高さだけにうんざりしながら仕事を続けていた。

 

唯一夏の断片と言えなくもない記憶と言えば、梅雨が終わっても茎についたまますっかり色褪せていた紫陽花を、アルコールに沈めて標本にしたくらいのものであった。

 

蝉の声に顔をしかめながら庭に出て、ぶちりと花をちぎり取り、瓶の中に押し込む。ほんの僅かな間の出来事であった。

 

夜空に咲く打ち上げ花火のように華やかな形が、瓶の中でゆらゆらと、幽霊のように揺れる。

 

夏が終わり、秋が来て、この先何十年も残り続ける色褪せた紫陽花の標本は、この夏の残骸のようなものなのかもしれない。

つぶつぶつぶ飴

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茎を除けば小指の先よりも小さい実がなる、飴団栗の仲間である。半透明の飴でできた小さな木の実である。粒飴と呼んでいたが、近いうちに名前が変わるかもしれない。

 

というのも、このあたりの仲間の分類を見直すことになりそうだからである。

 

それはさておき、この小さい粒飴はオーソドックスな「飴団栗」に比べると透明度が低い。澄んだガラスのような輝きを見せる飴団栗に対して、こちらはもったりと内部が濁っていて、向こう側が透けて見えない。

 

キラキラではないが、それが何とも甘そうで──「にごり酒」や「にごり湯」なんかがどことなく趣があるように見える心理と近いのかもしれない。

 

本棚を巣にしている

研究室では竜が数匹放し飼いになっているのだが、作業台、標本室、居住スペースと建物中を好きに歩き回っている。

 

先日は、書斎の本棚の中に巣を作り始めているのを発見した。花竜の成体である。

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空いたスペースで一眠りしているだけに見えるが、本棚の下には竜が入るために押し出された本が散らばっている。

 

布や羽毛の類い、お気に入りのおもちゃを持ち込み始める日も近いと見た。