森のなかの標本室

不思議な標本を作るアートユニット「飴色団栗研究室」にまつわるちょっとしたおはなし

地味な虹

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画像は蛋白果(たんぱくか)の標本である。角度を変えると遊色効果があらわれる。その光り方には一つひとつ個性があり、研究所の中でも人気の標本の一つである。

 

蛋白果という名前ではあるものの、オパール(蛋白石)に比べると虹の色は随分と淡い。要するにパッと見はかなり地味な木の実なのである。

 

だが、光の当たる場所で角度を変えてよくよく見れば、幻のような光が内部に閉じ込められているのを見ることができる。

 

一見つまらなさそうなものも、光を当てて別の角度からじっくり眺めれば魅力が見えてくる。蛋白果に限らず、世の中は案外そういうものなのかもしれない。

森からの荷物

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研究所宛に、森の住人から妙な荷物が届くことがある。見たこともない文字のラベルが貼られているもの、厳重に封印されているもの、無駄に複雑な結び目の紐がかけられているもの……送り主によって様々である。

 

その中身は変な形の石だったり、何かの種であったり、干した薬草の束であったりと様々だ。

 

標本室の片隅には、未開封のそんな荷物が乱雑に積んである場所がある。代わり映えのしない日常に退屈したり、嫌なことがあったりした時にひとつ開封しては、楽しい気分を取り戻すのである。

ガラスの小瓶の魅力とは

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机の上の小さいガラス瓶。

心惹かれないだろうか。

 

スクリュー式の蓋も悪くないが、コルク栓がしてあるとなお良い。

一つでも大変可愛らしいが、たくさん並んでいるとさらに良い。

 

我々はガラスのように透き通ったものを、少し特別なものを見つけたような気持ちで見てしまう。そういう話を以前少ししたことがある。

 

ガラス瓶とはその特別なものの中に、さらに特別なものを入れ込むことができるのである。

透明だから、当然中身が見える。一瞥で2度美味しいのである。

 

そして瓶そのものも自分好みの素敵な形をしていれば、もう言うことなしと、そうなってしまうのは必至であろう。

 

あなたは、瓶の中にどんなものを入れたいだろうか。

 

仕事に疲れた時には雑貨屋に足を運んで、好みの一瓶を作ってみるのも良いかもしれない。

採集鞄の中身

今週のお題「カバンの中身」

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我々が採集鞄と呼んでいる木製トランクは、冒険好きにとっては中々魅力的なものが詰まっていると思う。

 

例えば

・標本採集には欠かせない紙の箱

・その場で薬品を使った検査を行ったり、小さいものをとりあえず放り込んでおいたりと、何かと便利な試験管

・博士の開発した培養器

・ピンセットやナイフ、移植ごて等の道具類

・蜂蜜を集めるための壺

 

他にもちょっと特殊な道具だとか、薬品の類だとか、ルーペとか絆創膏とか袋類、紙類……色々なものが詰まっている。

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この鞄は個展等で時々展示しているので、中身を触ってみたい方はぜひ遊びにきていただきたい。透明な標本を光にかざしてみたり、研究ノートをめくってみたりと、お手に取ってご覧いただける。

 

ただ、全て愛用の道具なので、壊さないよう丁寧に扱ってほしい。

 

 

展示等のお知らせはHPやSNSで告知されます。

http://ameirodongri.wix.com/caramelacorn

標本箱の種類─紙箱

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もっともデリケートな表情を見せるのが、紙の箱である。

 

背景に紙が貼ってあるにしろないにしろ、木製の縁というのは存外インパクトが強い。

その重厚さが良いところでもあるのだが、例えばタンポポの綿毛のようなか細く小さなものをひとつ入れたところで、何も入っていないような存在感に見えてしまうのは事実である。

 

そんな時に活躍するのが、この紙箱なのである。

 

中身はもちろん、今にも消えてしまいそうな繊細な標本をひとつだけ。

いや、鉱物なんかを入れてみても案外良い。握りしめていたときには見えなかった表面の繊細な造形がはっきりと見えてくる。

 

植物の標本を採集する時には、場合によってこういう紙箱に直接貼り付けてしまったりすることもあるのだが、そういう採ってきたままのような、仰々しくないさりげなさが感じられるのも良い。

 

自分で見つけたとっておきの標本をひとつ入れて、引き出しの隅に大切に仕舞っておきたい。

 

そんな箱である。

標本箱の種類─紙背景

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さて、今日は紙背景の標本箱について解説しよう。

 

たくさん並べるほど良い板背景の箱に対して、白い壁の部屋にぽんと一つ置いても負けない存在感を持つのが、紙張りの標本箱である。

 

箱の中の余白が美しく見えるため、シンプルで上品なレイアウトが可能である。

また飴団栗などの透明系の標本、茎の細い草の標本などと大変相性がよい。細部まで容易に観察できるので、学術標本としてはこのタイプが最も優秀と言えるだろう。

 

明るい部屋では高級感と品の良さが目立つが、反対に暗い部屋では青白く浮かび上がって不気味な存在感を放つ。

 

そんな箱である。

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標本箱の種類─板背景

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飴色団栗研究室の標本箱は、現在大きく分けて3種類ある。

①背景が板の標本箱

②背景に紙が貼られた標本箱

③紙製の標本箱

 

今日はそのうちの一つ、板背景の標本箱について説明しよう。

 

背景が板の標本箱は、何よりも箱の中に大きな余白を作らないことが重要である。何故ならば、木というのはそれだけで存在感のある素材であるからして、あまり木の面を多く見せると標本よりも目立ってしまうのである。

 

つまり、箱の中には中身がぎっしり詰まっているのが良い。できれば箱自体も、隙間なくたくさん並べたい。並べれば並べるほど、何とも博物趣味的な雰囲気を作り出す。

 

部屋が薄暗いほど、壁の色が暗いほどカッコよく見える。

 

3種類の中で最も色が暗いため、色々な種類の箱を並べた時にアクセントの中身も果たす。

 

そういう箱である。