森のなかの標本室

不思議な標本を作るアートユニット「飴色団栗研究室」にまつわるちょっとしたおはなし

目玉

封印札といえば、博士が七夕の度に描いている奇妙な短冊のことを思い出す。

 

何か大きな目玉のついた生き物のようなものだったり、紙いっぱいの禍々しい紋様であったりと、呪いの札のようなものばかりで全くもって願いなど叶いそうもない。

 

「なんです、それ」

「今日は七日だろう、玄関前の木に吊るそうかと思ってね」

「まさかまた七夕の短冊ですか。あれはそういうのを書くものじゃないと去年も言ったじゃないですか。願いご……とにかく文字を書くんですよ、文字を」

「文字だと効力が薄いだろう」

「効力?なんの効力ですかそれは」

 

いったいあれは何なのだろうか。

一つだけ確かなのは、博士は七夕についてまず間違いなく重大な勘違いをしているということだ。

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