森のなかの標本室

不思議な標本を作るアートユニット「飴色団栗研究室」にまつわるちょっとしたおはなし

母岩草

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殻からトゲの生やしたそれは、ウニでも木の実でもなく、水草の浮きだ。

 

生まれたてのころは水面にぷかぷかと空洞を浮かべているが、10年20年とかけて少しずつ水中のミネラル分を吸収していく。

そしてそれはキラキラ光る結晶となって、空洞のなかに育っていくのだ。

 

そのころになると浮きは浮きとしての役割を捨て、茎を長く伸ばし錨となって水底に陣取るようになる。それをずるずると引っ張り上げて採集したのが母岩草の標本である。「母岩」という鉱物用語を聞きなれない方には読みづらいかもしれないが、ぼがんそう、と読む。

 

これが生えているのは「星の洞窟」というロマンチックな名を貰った鍾乳洞なのだが、その環境もまた大変興味深いものであるので、またいつかそれについての話もしようかと思う。