森のなかの標本室

不思議な標本を作るアートユニット「飴色団栗研究室」にまつわるちょっとしたおはなし

夜の研究室1

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蒸し暑かった昨日までとは打って変わって、涼しい夜であった。窓の外からは雨の音。時折雷が室内を照らすが、明るさの割に音は遠い。

 

そんな夜中の研究室なんてお化けのひとりやふたり出そうなものだが、生憎そんな怪奇現象が起きたことはない。

 

屋根を打つ雨の音が少しずつ大きくなるが、無造作に積まれた標本箱の中はいつも通りひっそりと静まり返っている。

 

そんな標本を眺めていると、煩いはずの雨音がまるで夢のように現実味を失って、自分が一体どこにいるのか分からないような気持ちになってくるのだ。