森のなかの標本室

不思議な標本を作るアートユニット「飴色団栗研究室」にまつわるちょっとしたおはなし

夜の研究室2

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昼の研究室と夜の研究室、あなたは同じものだと思うだろうか。

 

違う、という話を今日はしようと思う。

 

影の標本の記事を書いた時に、影とはそこに何かがあるのではなく、そこに何かが「ない」のである、という話をした。それは当然闇も同じだ。

 

光は波であると同時に粒子でもあるという考え方が一般的かと思うが、そういう意味では、昼と比べて光の粒子が減っているとも言えるだろうか。

格好つけた言い方をするなら、昼と夜で空間を形作っている成分が違うのだ。

 

だから何だ、と思うだろうか。

 

つまり夜は暗い。

暗いが故に、たくさんのものが隠される。

だがその中にも、目を慣らせば見えてくるものがある。

 

例えば白いもの。

昼間目立っていた赤や黄色の鮮やかさは鳴りを潜め、白だけがぼんやりと目の前に浮かび上がる。

 

たったそれだけのことでも、昼と夜の研究室は違うと言って良いのではと私は思う。

物が動いたり変質したりする訳ではなくても、自分にとって違う風に見えるならば、それは自分にとって違う世界で良いのではないだろうか。

 

これは昼と夜に限らない。

電灯は付いているか、雨の音は聞こえるか、暑いか、寒いか、湿っぽいか。

人は日々変わる。昨日の自分と明日の自分でも、きっと違うものが見えている。

 

私達がそう思い込まない限り、研究室は、世界は、毎日は、常に新しい表情を見せるのである。