森のなかの標本室

不思議な標本を作るアートユニット「飴色団栗研究室」にまつわるちょっとしたおはなし

標本箱の種類─紙箱

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もっともデリケートな表情を見せるのが、紙の箱である。

 

背景に紙が貼ってあるにしろないにしろ、木製の縁というのは存外インパクトが強い。

その重厚さが良いところでもあるのだが、例えばタンポポの綿毛のようなか細く小さなものをひとつ入れたところで、何も入っていないような存在感に見えてしまうのは事実である。

 

そんな時に活躍するのが、この紙箱なのである。

 

中身はもちろん、今にも消えてしまいそうな繊細な標本をひとつだけ。

いや、鉱物なんかを入れてみても案外良い。握りしめていたときには見えなかった表面の繊細な造形がはっきりと見えてくる。

 

植物の標本を採集する時には、場合によってこういう紙箱に直接貼り付けてしまったりすることもあるのだが、そういう採ってきたままのような、仰々しくないさりげなさが感じられるのも良い。

 

自分で見つけたとっておきの標本をひとつ入れて、引き出しの隅に大切に仕舞っておきたい。

 

そんな箱である。