森のなかの標本室

不思議な標本を作るアートユニット「飴色団栗研究室」にまつわるちょっとしたおはなし

金木犀

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研究室の庭に、一本の金木犀の木がある。

 

ススキが金色になる頃になると、小さなオレンジ色の花を山ほど咲かせ、甘い香りをそこら中にふりまく。

 

窓を開けると建物全部が花の香りに包まれるし、庭に出ればまるで金木犀のために庭があるかのような顔をしている。梅や紫陽花の季節にはあんなに大人しかったのに。

 

でもこうしてよくよく見ると、花も可愛らしいし、葉は落ち葉まで美しい。

 

彼は一時期大変目立つタイプの木だが、庭に生える草の一本一本にも、やはりそれぞれ違う美しさがあるのだろう。それを全て知り尽くすのが、庭の主人としての義務かもしれないと思う。

 

金木犀が「いや、庭の主人は私だ。人間風情が何を言う」という顔をしているが、花が終わればまた大人しくなるだろう。