森のなかの標本室

不思議な標本を作るアートユニット「飴色団栗研究室」にまつわるちょっとしたおはなし

秋と芸術と

今週のお題「芸術の秋」

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「標本」に纏わる芸術活動を始めたのも、また秋であった。

 

それまで私達は「研究員」ではなく「工芸家」で、大学で学んだノウハウを元に「生活を彩り豊かにするもの」であるとか「ひとに喜ばれるもの」「便利で使いやすいもの」とか、そういうことについて考えを巡らせていた。

 

疲れた、と言い出したのはどちらであっただろうか。

 

美術の学校という場所は、多かれ少なかれ作品に「先生」の指導が入る。「これじゃダメ」であったり「もっとこうしたほうがいい」であったり、確かに言う通りにすると良いものが出来るのだが、それは同時に自分の芸術が「良いもの」に縛られるような気持ちになった。

 

別に、良いものでなくたって良いじゃないか。

好き勝手楽しいことをやってみよう。そうしよう。

 

そうやって始まったのがアートユニット「飴色団栗研究室」なのである。

 

「研究室」の文字が表しているのは、「楽しいこと」であるへんてこな植物や何かの研究だけでなく、これでも芸術足りえるだろうか?という研究でもあるのだ。

 

それが3年前の秋のことであった。

 

鮮やかに色づいた葉が、古い役目を捨てて散っていく。空は高く、風は冷たく、物悲しい中にも新しい実りがある。芸術の秋、なんて呼ばれるのは単に気候が良いだけではなくて、過去の自分に区切りをつけ新しい表現に挑戦するのにも丁度いい季節なのかもしれない。