森のなかの標本室

不思議な標本を作るアートユニット「飴色団栗研究室」にまつわるちょっとしたおはなし。毎週金曜日夜9時ごろ更新。

沼底の碧

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「沼底の碧  沼底に溜まった碧が結晶化したもの」というラベルの貼られた標本箱がある。最近研究員が趣味で集め始めた鉱物標本である。

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中にはラベルの通り少し緑がかった青い石が入っている。沼の底に溜まっている色の類の中でもかなり美しい部類に入る結晶ではないかと思う。

 

鉱物標本のラベルは色、結晶構造、母岩の性質、硬度、産地、化学式等の情報を元に科学的に正確な情報が記載されるが、飴色団栗研究室の鉱物標本ラベルは同じ種類の鉱物でもひとつひとつ内容が異なる。

 

例えば同じ二酸化珪素(SiO2)の透明な石でも、いかにも水晶のようなものもあれば、氷のような顔をしているものも、涙の結晶のようなものもある。

 

そうした個体差、それぞれが持つ性格や物語を注意深く分析し、ラベルを書く。

 

それは飴色団栗研究室ならではの趣味の楽しみ方であると同時に、こうした鉱物の見かたも、あるのだというメッセージでもある。

 

鉱物に関しては──研究ではなく──あくまでも趣味なので、今後積極的に標本を販売する予定はないが、手持ちの鉱物の写真やサイズ等のデータ、その石に関する思い出など情報を送ると、風変わりなラベルが貼られた専用の木箱が送られてくる──というサービスはいつか始めても良いかもしれないと思っている。