森のなかの標本室

不思議な標本を作るアートユニット「飴色団栗研究室」にまつわるちょっとしたおはなし。毎週金曜日夜9時ごろ更新。

綿雲の樹

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風通しの良い丘の上に、その木はある。

 

まるで巨大な綿菓子のような白いもこもこは、葉が変化したものではないかと思われる。

千切って食べるとほんのり甘く、ほんのり青くさく、綿菓子と違って口の中に繊維が残る。

 

雨上がりは少し萎んでいるが、暖かい日を浴びると再びもこもこに戻る。

綿雲の木は常緑樹のようだ。真っ白なのに常「緑」というのは違和感があるが、秋が来ても冬が来ても、青空を背に、ふんわりと雲が浮かぶように、いつもそこにある。

 

その姿はのんびりとしていて、人はこの木を見ると、理由もわからないまま癒されてしまうのである。