森のなかの標本室

不思議な標本を作るアートユニット「飴色団栗研究室」にまつわるちょっとしたおはなし。毎週金曜日夜9時ごろ更新。

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今回採集に訪れたのは、遠くに佐渡島が見える新潟の海である。海岸へ降りると、まずは手頃な棒を拾う。採集において、棒は重要である。得体の知れないものをつついたり、砂の中から目当てのものを掘り出したり、振り回して遊んだりする。山ならば杖にしても良い。気分を高めるための必需品である。今回は枝ぶりも気に入ったものが手に入った。大抵はその場に置いて帰るが、これは持ち帰っても良いかも知れない。

 

海の日差しは、5月でもとても眩しい。サングラスを持ってくるんだったと思ったが、仕方がない。目を細めて砂浜をよく観察する。

 

流木、丸くなった石、貝殻の破片、発泡スチロール、空き瓶、何かの種、木の皮を丸めたようなもの、海藻。その中から良さそうなものを拾っては、大量に持ってきたビニール袋に詰めていく。この種、種花にとても似ているな。

 

木の皮を丸めたものというのは、これである。

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後から調べたところによると、白樺の皮で作った漁業用の浮きらしい。ロシアとか中国とか、そのあたりから流れてきているようだ。標本とは関係ないが、面白いので拾って帰る。

 

海岸で拾ったものは湿っているので、特に流木の類はある程度拾ったところで乾いたところに並べて、休憩と選別も兼ねて少し風に当てる。

 

それをまたビニール袋に詰めなおして持ち帰る。鞄が濡れるのも嫌なので大抵はそうしてしまうが、今回ひとつだけ、湿気を逃がさないビニールではなく紙に包んで慎重に持ち帰ったものがある。

 

本当はすぐにでも自慢したいところだが、その正体はもう少し研究が進むまで秘密にさせてほしい。

 

 

今週読んだ本:『海と毒薬』遠藤周作


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過去にあった事件を小説にしたもので、映画化もしています。本棚にあるのに読んだことがなかったので手に取ったのですが、手術の描写があまりにも恐ろしく、恐怖と吐き気で頭がいっぱいになって、作者の表現したかったこと、投げかけられている問題、何も読み取れませんでした。作品としてはすごく良いものだと思うので、勿体無いことをしました。