森のなかの標本室

不思議な標本を作るアートユニット「飴色団栗研究室」にまつわるちょっとしたおはなし。毎週金曜日夜9時ごろ更新。

重さ

f:id:CaramelAcorn:20180706185748j:image

人間は重いものほど価値が高いように感じる、という話をどこかで聞いたことがある。確かに、思い当たる節は多い。

 

ペラペラの封筒より分厚い紙箱。紙箱より木箱。大きな木箱より金属の小箱。樹脂よりガラス。アルミより鉄。軽いキャベツより重いキャベツ……は少し違うか。

 

どちらか好きな方を差し上げよう、と言われたとき、つい重い方を手に取ってしまうことはないだろうか。同じ値段なら、重い方がお得な気はしないだろうか。

 

しかし、それで本当に良いのだろうか。紙箱と木箱、実は案外材料費が変わらなかったりする。樹脂とガラス、樹脂の方が手間も技術も必要な場合だってある。

 

このブログを以前からご覧の方はもうお分かりだろうが、これは「重いものも案外高級じゃない」という話ではない。

 

あなたが重いものを価値が高く感じるなら、その感覚は大切にしてほしい。それは素材の特性に対する愛であり、決して惑わされていることにはならないと思う。

 

しかし、あなたが軽いものに価値を感じられないなら、もう一度先入観を取り払って、その素材をよく見つめなおしてほしい。あなたは、脳の感じる「重い=高級」という図式に操られてはいないだろうか。軽いというのは、それだけ繊細であるということでもある。透けるように薄い紙の儚い美しさは、見逃してしまうにはもったいない。

 

そうやって、先入観で価値が高まるものは存分にその先入観を利用する。先入観で価値が下がるものは、知識を得ることで自分の目で見つめなおし、価値を高める。どちらか一方でなく、両方を使い分けることで、人はより幸せになれる気がする。

 

 

 

今週読んだ本:『みんなの将棋入門』羽生善治


※画像をクリックするとamazonのページに飛びます

将棋のルールを全く知らなかったので、基本くらいは知りたいと思って読んでみました。表紙がちょっとインパクト強い感じですが、内容はとても良かったと思います。フルカラーで図が大きく、映像でも情報が入ってくるので理解しやすいです。子供が読むことも想定して書いてありますが、文章は大変知的で、大人が読んでも満足できると思います。百均のでもいいので、目の前に将棋盤を置いて実際に駒を動かしながら読んだ方が楽しそうです。